古都・奈良。京都から電車でわずか45分、大阪からも約50分という好アクセスながら、京都ほど混雑しない穴場的存在です。私が初めて奈良を訪れたとき、東大寺の大仏の圧倒的なスケールと、奈良公園で自由に歩き回る鹿たちの姿に心を奪われました。
1300年以上の歴史を持つこの地には、世界遺産に登録された寺社仏閣が点在し、古い町家が残る「ならまち」では情緒ある散策を楽しめます。今回は、奈良観光を1泊2日で満喫するモデルコースをご紹介します。初めての方でも迷わず巡れるよう、効率的なルートと見どころをお伝えしていきます。
この記事を読めば、東大寺や春日大社といった定番スポットはもちろん、地元の人しか知らない名物グルメや、ゆったり過ごせるカフェまで、奈良の魅力を余すことなく体験できるはずです。
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1. 奈良観光の基本情報|アクセスと観光エリア
京都・大阪からのアクセス
奈良へのアクセスは電車が便利です。京都駅からは近鉄京都線の急行で約45分、特急なら約35分で到着します。急行は640円、特急は追加料金520円で合計1,160円です。大阪からはJR大阪駅から大和路快速で約50分、820円。難波からは近鉄奈良線で約40分です。
近鉄奈良駅とJR奈良駅の使い分け
奈良公園や東大寺を中心に観光するなら「近鉄奈良駅」が断然便利です。駅から奈良公園まで徒歩約7分、東大寺まで約15分とアクセス抜群。一方、JR奈良駅は奈良公園まで徒歩約20分かかりますが、法隆寺方面へ行く場合はJRが便利です。
主な観光エリア
奈良観光は大きく分けて「奈良公園エリア」「ならまちエリア」「西ノ京エリア」の3つ。1泊2日なら奈良公園エリアとならまちを中心に巡るのがおすすめです。両エリアは徒歩で回れる距離なので、レンタサイクルも有効活用できます。
2. 1日目午前|東大寺と大仏殿で奈良の象徴に出会う
南大門と金剛力士像
東大寺の参道を進むと、まず目に飛び込んでくるのが高さ25メートルを超える「南大門」。鎌倉時代に再建されたこの門には、運慶・快慶らによる国宝の金剛力士像が安置されています。阿形像と吽形像、その迫力ある表情に思わず足を止めてしまいます。
大仏殿と盧舎那仏
大仏殿の拝観時間は8時から17時まで。朝一番の参拝がおすすめです。堂内に入ると、高さ約15メートルの盧舎那仏(奈良の大仏)が鎮座しています。奈良時代に聖武天皇の発願で造立されたこの大仏は、幾度もの災害を乗り越え、現在も多くの参拝者を見守り続けています。
二月堂からの絶景
大仏殿を出たら、ぜひ二月堂まで足を延ばしてください。舞台造りの堂から眺める奈良の街並みは息をのむ美しさ。毎年3月に行われる「お水取り」の舞台としても知られ、その歴史は1200年以上続いています。
3. 1日目午後|春日大社と神秘的な参道を歩く
春日大社へのアプローチ
東大寺から春日大社へは、奈良公園内を歩いて約20分。参道には約2,000基の石灯籠が並び、その光景は圧巻です。約1,300年前に創建されたこの神社は、藤原氏の氏神を祀る神社として栄えてきました。
本殿と回廊の朱塗りの美
春日大社の参拝時間は7時から17時。本殿に向かう回廊には約1,000基の釣灯籠が並び、朱塗りの社殿と相まって神秘的な雰囲気を醸し出しています。節分や8月の万燈籠の時期には、すべての灯籠に火が灯される幻想的な光景が見られます。
萬葉植物園で一息
春日大社の境内にある萬葉植物園は、昭和7年に開園した日本最古の万葉植物を集めた庭園です。万葉集に詠まれた約300種の植物が植えられており、四季折々の風情を楽しめます。藤の名所としても知られ、4月下旬から5月上旬には見事な藤棚が広がります。
4. 奈良公園の鹿と触れ合う
神の使いとされる鹿たち
奈良公園には約1,200頭の鹿が生息しています。春日大社の神使として大切にされてきた鹿たちは、国の天然記念物に指定されています。人懐っこく近づいてくる鹿の姿は、奈良ならではの光景です。
鹿せんべいの正しいあげ方
鹿せんべいは公園内の売店で200円で購入できます。せんべいを見せると鹿が集まってくるので、1枚ずつゆっくりあげましょう。手を高く上げすぎると鹿が飛びついてくることもあるので、腰の高さくらいであげるのがコツです。
鹿との付き合い方の注意点
鹿は野生動物です。食べ物を持っていないときは、手のひらを見せて「ないよ」とアピールすると離れていきます。また、発情期の秋(9月〜11月)は牡鹿が気性荒くなるので、近づきすぎないよう注意が必要です。
5. ならまち散策|古い町家と現代カルチャーの融合
ならまちとは
ならまちは、元興寺の旧境内を中心に広がる歴史的な町並みです。江戸時代から明治時代にかけての町家が残り、その多くがカフェや雑貨店、工房としてリノベーションされています。路地裏を歩けば、タイムスリップしたかのような情緒を味わえます。
身代わり申(みがわりざる)を探して
ならまちを歩いていると、軒先に赤い布でできた「身代わり申」が吊るされているのを見かけます。これは庚申信仰に由来するお守りで、災いを代わりに受けてくれると信じられています。庚申堂では、このかわいらしいお守りを購入することもできます。
おすすめのカフェ・雑貨店
ならまちには個性的なお店が点在しています。「中川政七商店 奈良本店」は、300年の歴史を持つ奈良の老舗。伝統工芸品から日用雑貨まで、洗練されたアイテムが揃います。併設の「猿田彦珈琲」で一息つくのもおすすめです。
6. 奈良グルメ|柿の葉寿司と茶粥を味わう
柿の葉寿司の魅力
奈良を訪れたら必ず味わいたいのが「柿の葉寿司」です。鯖や鮭の押し寿司を柿の葉で包んだ郷土料理で、200年以上の歴史があります。柿の葉の香りが酢飯に移り、独特の風味を生み出します。近鉄奈良駅近くの「柿の葉すし本舗たなか」や、猿沢池そばの「平宗」が名店として知られています。
朝食には茶粥を
茶粥は奈良で1200年以上前から食べられてきた伝統料理です。ほうじ茶で炊いたお粥は、さらりとした食感と香ばしい香りが特徴。奈良ホテルのメインダイニング「三笠」では、宿泊者でなくても茶粥定食を味わえます。朝の胃に優しい一品です。
その他の奈良名物
三輪そうめんは日本最古のそうめんといわれ、コシの強さが特徴です。また、明日香村発祥の「飛鳥鍋」は、牛乳ベースのスープで鶏肉や野菜を煮込んだ郷土鍋。少し足を延ばしてでも味わう価値があります。
7. 1泊2日モデルコース
1日目のスケジュール
10時に近鉄奈良駅に到着したら、まず東大寺へ。大仏殿と二月堂を巡り、12時頃にランチ。午後は春日大社を参拝し、奈良公園で鹿と触れ合います。16時頃からならまちを散策し、夕食は柿の葉寿司や奈良の地酒を楽しみましょう。
2日目のスケジュール
朝は茶粥で1日をスタート。9時から興福寺の国宝館で阿修羅像を拝観し、五重塔を眺めます。その後、猿沢池から眺める興福寺の景色を堪能。時間があれば、若草山に登って奈良盆地を一望するのもおすすめです。昼過ぎには帰路につけます。
おすすめの宿泊施設
せっかく奈良に泊まるなら「奈良ホテル」がおすすめです。明治42年創業のクラシックホテルで、「関西の迎賓館」と称される格式高い宿。奈良公園に隣接し、早朝の静かな境内を散策できるのも宿泊者の特権です。リーズナブルに抑えたい場合は、JR奈良駅周辺のビジネスホテルも便利です。
8. 奈良観光をもっと楽しむためのヒント
ベストシーズンと混雑回避
奈良観光のベストシーズンは、桜の4月と紅葉の11月。ただし、この時期は混雑も予想されます。比較的空いているのは1月〜2月と6月。冬の奈良は凛とした空気の中、静かに参拝できる贅沢があります。
歩きやすい靴を
奈良観光は歩くことが基本。東大寺から春日大社、ならまちまで、1日で1万歩以上歩くことも珍しくありません。砂利道や石畳も多いので、履き慣れたスニーカーがベストです。
京都との組み合わせ
京都から奈良は電車で45分と近いため、京都旅行に日帰りで奈良を組み込むことも可能です。ただし、奈良の魅力をじっくり味わうなら、やはり1泊がおすすめ。夜の静けさの中で、古都の風情を感じてみてください。
奈良は、1300年の歴史が息づく特別な場所です。巨大な大仏に手を合わせ、神の使いの鹿と触れ合い、古い町並みを歩く。京都とはまた違う、穏やかで奥深い魅力がここにはあります。ぜひ次の旅の目的地に、古都・奈良を選んでみてください。きっと、心に残る旅になるはずです。