沖縄本島からさらに南西へ約300キロ。透き通る海と白い砂浜が広がる宮古島は、日本にいながらにしてカリブ海のような絶景に出会える離島です。特にデザイナーの目を惹くのが、3つの離島をつなぐ「三大橋」。エメラルドグリーンからコバルトブルーへと変化する海の上を一直線に伸びるその姿は、自然と人工物が見事に調和した美しい造形です。
宮古島の魅力はビーチだけではありません。干潮時にだけ現れる幻のビーチ「17END」、国指定天然記念物の通り池、そして2025年にオープンした日本初のローズウッドホテルなど、何度訪れても新しい発見があります。レンタカーでの島一周ドライブなら、1日で主要スポットを巡ることも可能です。
この記事では、デザイナーの視点で選んだ宮古島の絶景ドライブコースと穴場ビーチを紹介します。定番の観光スポットから地元の人しか知らない隠れた名所まで、宮古島を120パーセント楽しむための完全ガイドをお届けします。
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1. 宮古島とは?——日本最南端の楽園へのアクセス
6つの島からなる宮古諸島
宮古島は沖縄県に属する離島で、宮古島本島を中心に伊良部島、下地島、来間島、池間島、大神島の6島で構成されています。面積は約204平方キロメートル、人口は約55,000人。年平均気温は23.8度という亜熱帯海洋性気候で、真冬でも平均気温は18度前後と温暖です。サンゴ礁が隆起してできた平坦な地形のため、山がなく見通しがよいのも特徴。空と海の青さがどこまでも続く開放感は、宮古島ならではのものです。
意外と近い南国リゾート
宮古島へは羽田空港からJALやANAの直行便で約3時間20分。関空からも直行便が就航しています。さらにLCCのジェットスターが成田から下地島空港への路線を運航しており、時期によっては片道1万円以下で行けることも。下地島空港のターミナルは2019年に開業したばかりで、CLT(直交集成板)を使った木造屋根が美しいモダンな建築です。空港に降り立った瞬間から、デザイン好きの心をくすぐる島旅が始まります。
実は冬がおすすめ
宮古島のベストシーズンは一般的に4月〜10月ですが、実は2〜3月の冬こそ穴場シーズン。降水量が年間で最も少なく、海の透明度は夏よりも高くなります。観光客も夏の3割減でビーチもホテルもゆったり。航空券や宿泊費もオフシーズン価格になるため、コスパ重視の旅にも最適です。泳ぐにはウェットスーツが必要ですが、ドライブやカフェ巡り、絶景スポット巡りなら冬の宮古島は最高の選択肢です。
2. 三大橋ドライブ——海の上を走る爽快体験
伊良部大橋:無料で渡れる日本最長の橋
宮古島ドライブのハイライトは、何と言っても三大橋です。中でも2015年に開通した伊良部大橋は全長3,540メートル。無料で渡れる橋としては日本最長を誇ります。宮古島と伊良部島をつなぐこの橋は、海面すれすれの低い位置から中央部に向かって大きく弧を描いて上昇し、船が通過できる高さまで持ち上がる独特のフォルム。デザイナーとして惹かれたのは、橋のカーブが海のうねりと呼応するようなリズムを持っていること。左右に広がる宮古ブルーの海を眺めながらのドライブは、言葉を失うほどの美しさです。
来間大橋:前浜ビーチを一望する絶景ルート
1995年に開通した来間大橋は全長1,690メートル。宮古島南西部と来間島をつなぎ、橋の上からは「東洋一の白砂」と称される与那覇前浜ビーチを一望できます。橋を渡った先の来間島には展望台があり、そこから眺める前浜の白い砂浜とグラデーションの海は息をのむ美しさ。来間島は小さな島ですが、おしゃれなカフェが点在しているので、ドライブの休憩にもぴったりです。
池間大橋:三大橋の先駆者
1992年に開通した池間大橋は全長1,425メートルで、三大橋の中では最初に架けられた橋です。宮古島北部と池間島をつなぐこの橋の魅力は、橋の両側に広がる「池間ブルー」と呼ばれる独特の海の色。他の2橋と比べてやや淡い水色で、晴れた日には海底のサンゴや白砂が透けて見えるほどの透明度です。池間島側の展望スポットからは、橋と海のコントラストをパノラマで堪能できます。
3. 定番ビーチ——宮古ブルーの代名詞
与那覇前浜ビーチ:東洋一の白砂
宮古島のビーチといえば、まず名前が挙がるのが与那覇前浜ビーチです。約7キロメートルにわたって続く真っ白な砂浜は「東洋一」と称され、その評判は伊達ではありません。裸足で歩くときめ細かいパウダーサンドが足の裏に心地よく、海に向かうグラデーションの美しさはまるで絵の具のパレットのよう。来間大橋を背景にした景色はフォトジェニックの極みです。シャワーやトイレなどの設備も整っているので、初めての宮古島旅行ならまずここを訪れるのがおすすめです。
砂山ビーチ:自然が彫刻したアーチ岩
砂山ビーチは、砂の丘を越えた先に突然現れる小さなビーチ。かつてはアーチ状にえぐれた岩とその向こうに広がる海が織りなす風景がシンボルでしたが、現在アーチ岩周辺は崩落の危険があるため2018年10月から立入禁止となっています。柵の外からは眺められるので、自然が長い時間をかけて創り出した造形美を安全な距離から鑑賞しましょう。ビーチ自体は利用可能で、白砂と透明な海は変わらず美しいままです。
新城海岸:気軽にシュノーケリング
シュノーケリングを手軽に楽しみたいなら新城海岸がおすすめです。遠浅のビーチのすぐ沖合にサンゴ礁が広がり、カラフルな熱帯魚が泳ぐ姿を間近で観察できます。レンタル用品も現地で借りられるので、道具を持っていなくても大丈夫。波が比較的穏やかなので、シュノーケリング初心者や小さな子ども連れの家族にも向いています。冬季はウェットスーツを着用すればシュノーケリングツアーに参加することも可能です。
4. 穴場ビーチ——知る人ぞ知る宮古島の秘境
17END:干潮時だけ現れる幻のビーチ
宮古島通の間で「最も美しいスポット」として語られるのが17END(ワンセブンエンド)です。下地島空港の滑走路南端(ランウェイ17のエンド)に隣接するこのビーチは、干潮時にだけ白い砂浜が姿を現す幻の絶景。透明度が極めて高く、空の色をそのまま映したような海のブルーは「宮古ブルー」の中でも最高峰です。タイミングが合えば、頭上を飛行機が通過していく迫力ある光景も。干潮時刻を事前にチェックして訪れましょう。
フナクスビーチ(池間ブロック):透明度の頂点
池間島にあるフナクスビーチは、地元では「池間ブロック」とも呼ばれる穴場ビーチです。小さなビーチですが、その透明度は宮古島の中でもトップクラス。浅瀬からすぐにサンゴ礁が広がり、ウミガメに遭遇する確率も高いと言われています。観光客が比較的少なく、プライベートビーチのような静けさを味わえるのも魅力です。
ムスヌン浜:星空と夕日の隠れ名所
来間島の西側に位置するムスヌン浜は、地元の人にもあまり知られていない秘境ビーチ。人工的な光が少ない来間島の西岸は、夕日と星空の観測ポイントとして知られています。水平線に沈む夕日のグラデーションは、デザイナーとして何時間でも眺めていたくなる美しさ。星空が見える夜は、天の川がくっきりと肉眼で確認できるほどの暗さです。ただしビーチへの道は整備されていない部分もあるので、足元には十分注意してください。
5. 下地島・伊良部島——橋を渡った先の絶景
通り池:神秘の国指定天然記念物
下地島にある通り池は、2つの池が地下の洞窟でつながり、さらに外海ともつながっているという不思議な地形の天然記念物です。潮の満ち引きや太陽の角度によって水面の色が深い藍色からエメラルドグリーンに変化する様子は、自然が生み出した光のインスタレーションのよう。遊歩道が整備されているので気軽に訪れることができます。ダイビングの名所としても世界的に知られており、上級者ダイバーにとっては憧れのスポットです。
渡口の浜:きめ細かな砂の弓状ビーチ
伊良部島の南西部に位置する渡口の浜は、約800メートルにわたって弓状に広がるビーチ。ここの砂は宮古島の中でも特にきめ細かく、まるで小麦粉のようなサラサラした感触です。波が穏やかで、海水浴というよりもビーチでのんびり過ごすのに最適な場所。観光客で混雑することが少ないので、静かな時間を過ごしたい方におすすめです。
佐和田の浜:巨岩が点在する異世界
伊良部島の北西部にある佐和田の浜は「日本の渚100選」に選ばれたビーチ。遠浅の海にゴロゴロと点在する巨大な岩は、1771年の明和の大津波によって運ばれてきたものと言われています。夕暮れ時、オレンジ色に染まる空と海の中にシルエットとして浮かび上がる巨岩たちの風景は、他のビーチでは決して見られない独特の美しさ。この異世界感のある景色は、デザイナーの感性を強く刺激してくれます。
6. 宮古島グルメ——島の味を堪能する
宮古そば:麺の下に隠された具材の秘密
宮古島に来たら必ず食べたいのが宮古そば。鰹だしの透き通ったスープにストレートの平麺という見た目はシンプルですが、実はこのそば、具材が麺の下に隠されているという面白い伝統があります。かつて贅沢を咎められないよう具を隠したのが始まりだとか。老舗の「古謝そば屋」は1932年創業の名店で、地元民にも観光客にも愛され続けています。「丸吉食堂」(1961年創業)は濃厚なソーキそばが人気。地元の食堂に飛び込むだけで、島の温かさに触れられます。
島カフェ巡りも楽しい
宮古島にはロケーション抜群のカフェが点在しています。来間島の高台にある「Aosoraパーラー」は、来間大橋と前浜ビーチを見渡す絶景カフェ。トロピカルフルーツを使ったスムージーが人気です。宮古島市街地の「DOUG’S COFFEE」は自家焙煎のスペシャルティコーヒーが楽しめる本格派。パイナガマビーチ近くの「パイナガマブルーブース」は、海を眺めながらのんびりできるビーチサイドカフェです。
冬でも楽しめる島グルメ
宮古島の名産・マンゴーのシーズンは7月前後で、冬に訪れると残念ながら生マンゴーは入手困難です。しかし冬には冬の楽しみがあります。島野菜を使った郷土料理や、サトウキビの収穫シーズン(12月〜3月)に合わせた黒糖スイーツなど、この時期ならではの味覚が待っています。雪塩ミュージアム(雪塩製塩所)では、宮古島の地下海水から作られる「雪塩」の製造工程を見学でき、雪塩を使ったソフトクリームは年間を通じて人気です。
7. おすすめホテル——宮古島の極上ステイ
ローズウッド宮古島:日本初上陸のラグジュアリー
2025年3月に開業したローズウッド宮古島は、世界的ラグジュアリーホテルブランド「ローズウッド」の日本初進出となるリゾートです。三菱地所が開発を手がけ、全55室すべてがプライベートプール付きのヴィラタイプ。砂山ビーチ近くの岬に位置し、すべての客室からオーシャンビューが楽しめます。1泊の宿泊料金は約20万円からと最高級クラスですが、宮古島の自然と世界水準のホスピタリティを同時に体験できる唯一無二の場所です。
既存リゾートも充実
宮古島にはすでに質の高いリゾートが揃っています。「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」は2023年に開業した全329室の大型リゾートで、ファミリーからカップルまで幅広い層に対応。伊良部島にある「イラフSUIラグジュアリーコレクションホテル」は全58室のブティックリゾートで、伊良部ブルーの海を目の前に贅沢なひとときを過ごせます。さらに2026年4月には「キャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾート」が全310室で開業予定。宮古島のリゾートシーンはますます進化しています。
リーズナブルに泊まるなら
高級リゾートだけでなく、宮古島市街地にはリーズナブルなホテルやゲストハウスも豊富です。市街地を拠点にすれば飲食店へのアクセスもよく、レンタカーで島全体を巡る旅のベースキャンプとして便利。宮古島は端から端まで車で約30分と小さな島なので、どこに泊まっても主要スポットへのアクセスに困ることはありません。
8. 島の見どころスポット——ビーチ以外の楽しみ方
島尻のマングローブ林
宮古島の北部にある島尻のマングローブ林は、奥行き約1キロメートルにわたって続く亜熱帯の自然林です。整備された遊歩道を歩きながら、マングローブの根が複雑に絡み合う独特の景観を間近で観察できます。野鳥も多く、静かな入り江に響く鳥のさえずりを聞きながらの散策は、ビーチとはまた違った宮古島の表情に出会えます。
宮古島海中公園
泳ぐのはちょっと、という方におすすめなのが宮古島海中公園。海底に設置された観察施設から、普段着のまま宮古島の海中世界を覗くことができます。窓の向こうに広がるサンゴ礁とカラフルな魚たちの姿は、まるで巨大な水族館の中にいるよう。天候や季節を問わず楽しめるので、冬の旅行にもぴったりのスポットです。
下地島空港も見どころ
2019年に開業したみやこ下地島空港ターミナルは、建築好きならぜひチェックしたいスポットです。CLT(直交集成板)を使った大屋根が開放的な空間を生み出し、ZEB Ready認証を取得した環境配慮型の建築。南国の植物が植えられたオープンエアの待合スペースは、空港というよりリゾートのロビーのような雰囲気です。ジェットスターで到着する方は、この空港から島旅がスタートします。
9. モデルコース——宮古島2泊3日ドライブプラン
1日目:宮古島南部&来間島
空港到着後、レンタカーを借りてまずは与那覇前浜ビーチへ。東洋一の白砂を堪能したら、来間大橋を渡って来間島へ。展望台から前浜を見下ろし、「Aosoraパーラー」でスムージー休憩。午後は島尻のマングローブ林を散策した後、イムギャーマリンガーデンで穏やかな入り江を楽しみます。夕食は市街地で宮古そばを。古謝そば屋か丸吉食堂がおすすめです。
2日目:伊良部島&下地島
2日目は伊良部大橋を渡って伊良部島・下地島へ。午前中に通り池を散策し、渡口の浜で美しい砂浜を堪能。干潮の時間を狙って17ENDへ。幻のビーチと飛行機の離着陸を眺めたら、佐和田の浜へ移動して明和の大津波の巨岩が作り出す異世界的な風景を楽しみましょう。夕方は佐和田の浜で夕日を眺めるのがおすすめ。帰りの伊良部大橋からの夕景も格別です。
3日目:池間島&北部
最終日は池間大橋を渡って池間島へ。フナクスビーチ(池間ブロック)で宮古島最高クラスの透明度を体感。池間島から戻ったら、雪塩ミュージアムで雪塩ソフトクリームを味わい、砂山ビーチでアーチ岩を柵越しに眺めましょう。新城海岸でシュノーケリングを楽しんでから空港へ向かえば、宮古島の魅力をまんべんなく満喫できるコースです。
まとめ——宮古ブルーに会いに行こう
三大橋を渡るドライブ、干潮時にだけ現れる幻のビーチ、宮古ブルーの海に浮かぶサンゴ礁。宮古島は、日本にいながらにして世界レベルの絶景に出会える場所です。デザイナーとして特に心に残ったのは、自然が生み出す色彩の豊かさ。エメラルドグリーン、コバルトブルー、ターコイズブルー——刻々と変化する海の色は、どんなカラーパレットよりも美しいグラデーションを描いていました。
ローズウッド宮古島の開業や、2026年4月のキャノピーbyヒルトンの開業予定など、宮古島のリゾートシーンはさらに進化を続けています。観光客が少ない冬こそ、この島の本当の美しさに出会えるチャンス。ぜひレンタカーのハンドルを握って、宮古ブルーの絶景ドライブに出かけてみてください。