日本三名泉のひとつに数えられる有馬温泉は、神戸の街からわずか30分で行ける都市近郊の名湯です。赤褐色の「金泉」と無色透明の「銀泉」という2種類の泉質を持ち、環境省指定の療養泉9成分のうち7成分を含む世界的にも珍しい温泉地として知られています。
実際に有馬温泉を訪れると、狭い坂道の両側に風情ある店が並ぶ温泉街の雰囲気に心を奪われました。湯本坂で炭酸せんべいの手焼きを眺め、金泉の足湯に浸かり、翌日は六甲山から1000万ドルの夜景で知られるパノラマを楽しむ——。コンパクトな温泉街だからこそ、1泊2日でも十分に満喫できるのが有馬の魅力です。
この記事では、大阪・神戸発の有馬温泉1泊2日モデルコースを詳しくご紹介します。金泉・銀泉の違いからおすすめの旅館、六甲山の絶景まで、有馬温泉を120%楽しむためのガイドです。
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1. 有馬温泉へのアクセス
有馬温泉は意外なほどアクセスが良く、関西の主要都市から気軽に訪れることができます。
大阪から:高速バスなら大阪梅田から約1時間(約1,400円)で乗り換えなし。電車の場合はJR+地下鉄+神戸電鉄で約1時間(約1,090円)です。
神戸から:三宮・新神戸から電車で約30分(約720円)。高速バスでも約30〜45分(約810円)と、日帰りも十分可能な距離です。
京都から:京都駅八条口から高速バスで約75分(約1,850円)が最も楽。乗り換えなしで到着できます。
2. 有馬温泉の金泉・銀泉とは
有馬温泉を語る上で欠かせないのが「金泉」と「銀泉」の存在です。
金泉(きんせん)
含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉で、鉄分が空気に触れて酸化することで赤褐色に変わります。海水の約1.5倍もの塩分を含み、肌に薄い皮膜を作るため湯冷めしにくいのが特徴。保温・保湿効果が高く、筋肉痛や関節痛、冷え性に効能があります。
銀泉(ぎんせん)
無色透明の炭酸泉とラドン泉の2種類があり、「若返りの湯」とも呼ばれています。炭酸ガスが血流を改善し、ラドンが新陳代謝を促進。金泉とは対照的に、さっぱりとした肌触りが心地よい温泉です。草津温泉が酸性泉で知られるのに対し、有馬温泉はこの多彩な泉質が最大の魅力といえるでしょう。
3. 1日目:有馬温泉街をのんびり散策

炭酸泉源公園で旅のスタート
有馬温泉駅から徒歩約5分の炭酸泉源公園は、天然の炭酸泉を無料で飲泉できるスポット。ここは日本最古のサイダーともいわれる「有馬サイダー」発祥の地でもあります。鉄分を含んだシュワッとした独特の味わいを、まずはひと口試してみてください。
湯本坂でお土産めぐり
有馬温泉のメインストリート「湯本坂」は、坂道の両側に個性豊かなお店が並ぶ散策スポット。明治時代から続く炭酸せんべいの老舗「三ツ森本舗」では、職人が手焼きする様子をガラス越しに見学できます。特に焼きたての「なま炭酸せんべい」は賞味期限がわずか数秒という儚いお菓子——熱々のやわらかい食感は現地でしか味わえません。
室町時代から続く有馬の伝統工芸品「有馬人形筆」を扱う灰吹屋西田筆店や、実山椒を使った調味料が並ぶ山椒彩家、兵庫県産素材のチーズケーキが評判のうわなり珈琲など、小さな温泉街の中に見どころが凝縮されています。
ランチは名店で
お昼はミシュランのビブグルマンに選出された蕎麦の名店「土山人(どさんじん)」で。石臼挽きの本格手打ち蕎麦は、丼全体をすだちの輪切りが覆う「すだち蕎麦」が人気です。明石焼き好きなら、有馬温泉唯一の専門店「有馬十八番」で有馬山椒入りの「有馬焼き」を試してみるのもおすすめです。
銀の湯で日帰り入浴
午後は公営の日帰り入浴施設「銀の湯」(大人700円、平日550円)で銀泉を体験。炭酸泉の細かい泡が肌にまとわりつく独特の感触を楽しめます。営業時間は8:00〜22:00で、定休日は第1・第3火曜日。金の湯との2館券(1,200円)もありますが、金の湯は施設工事の場合もあるため、事前に公式サイトで営業状況を確認してから訪れましょう。
温泉宿にチェックイン
外湯を楽しんだ後は、宿の金泉・銀泉でゆっくりと。夕食は会席料理を堪能し、食後は温泉街の夜散策へ。金の湯前の無料足湯に浸かりながら、静かな夜の有馬を感じる時間は格別です。
4. おすすめの温泉宿

兵衛向陽閣(ひょうえこうようかく)は、創業700年を誇る有馬温泉の老舗旅館。三大浴場(一の湯・二の湯・三の湯)で金泉・銀泉の両方を楽しめます。食事はビュッフェから個室炭火焼会席まで選べるのも嬉しいポイント。2名1室 約20,000円〜(じゃらんnetで空室を確認)。
有馬グランドホテルは、展望大浴場から温泉街を一望できる大型リゾートホテル。金泉・銀泉を楽しめるのはもちろん、高級棟「別墅 結楽」ではワンランク上の滞在を体験できます。2名1室 約44,000円〜(じゃらんnetで空室を確認)。
元湯龍泉閣は、ファミリーに人気の宿。金泉の自家源泉を持ち、室内プールやキッズコーナーも完備。部屋食なのでお子さま連れでも気兼ねなく過ごせます。2名1室 約29,040円〜(じゃらんnetで空室を確認)。
5. 2日目:六甲山の絶景を楽しむ

瑞宝寺公園の朝散歩
チェックアウト前に、有馬温泉駅から徒歩約15分の瑞宝寺公園へ。かつて豊臣秀吉が紅葉を見て「いくら見ても飽きない」と称えたことから「日暮しの庭」と呼ばれるこの公園には、約2,500本のカエデが群生しています。伏見桃山城の遺構とされる山門や、秀吉愛用と伝わる石の碁盤など、歴史ロマンが詰まったスポットです。
六甲有馬ロープウェーで空中散歩
有馬温泉駅から六甲山頂まで約12分で結ぶ六甲有馬ロープウェーは、有馬温泉と六甲山を繋ぐ人気の移動手段。片道大人1,400円、往復2,520円で、始発は9:30から20分間隔で運行しています。眼下に広がる六甲山の緑と神戸の街並みは圧巻です。
六甲ガーデンテラスと六甲枝垂れ
六甲山頂エリアの「六甲ガーデンテラス」からは、明石海峡・大阪平野・関西国際空港までを一望できるパノラマが広がります。建築家・三分一博志設計の体験型展望台「六甲枝垂れ」(大人1,000円)は、吉野ヒノキの骨組みがしだれ柳のように覆う独創的な建築。自然の風を感じながら眺める景色は、神戸観光の締めくくりにふさわしい体験です。
帰りはロープウェーで有馬温泉に戻り、大阪・神戸方面へ。または六甲山上バス→六甲ケーブルでJR六甲道駅へ下りるルートも選べます。
6. 有馬温泉をもっと楽しむヒント
時間に余裕がある方には、有馬最大の日帰り温泉「太閤の湯」もおすすめ。金泉・銀泉を含む26種の風呂と岩盤浴を楽しめるテーマパークで、平日大人2,750円(館内着・タオル込み)。半日ゆっくり過ごせます。
歴史好きなら温泉寺も外せません。724年に行基が開創したと伝わる古寺で、国の重要文化財・波夷羅大将立像も安置されています。拝観無料で、坐禅体験もできます。
温泉旅行が好きなら、九州の別府温泉1泊2日モデルコースもぜひチェックしてみてください。有馬とはまた違った、豪快な地獄めぐりの温泉文化を楽しめます。
まとめ
有馬温泉は、大阪から1時間、神戸からわずか30分という立地でありながら、本格的な温泉情緒を堪能できる稀有な温泉地です。1日目は温泉街の散策と金泉・銀泉の湯めぐり、2日目は六甲山の絶景——。コンパクトだからこそ、移動に時間をかけず「温泉」と「景色」にたっぷり時間を使える、大人のための1泊2日旅をぜひ体験してみてください。
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