海に浮かぶ朱色の大鳥居。フェリーの甲板から見えてきたその光景に、思わず息をのみました。広島県の宮島にある厳島神社は、一度は訪れてみたいと長年思い続けていた場所です。そして広島市内には、もう一つの世界遺産である原爆ドームがあります。
広島は2つの世界遺産を持つ日本でも数少ない都市。歴史と平和への祈り、そして瀬戸内海の美しい自然が共存するこの地は、訪れる人の心に深い印象を残します。今回は、広島と宮島を1泊2日で効率よく巡るモデルコースをご紹介します。
この記事では、厳島神社の見どころから原爆ドーム・平和記念公園の歩き方、そして広島名物のお好み焼きや牡蠣グルメまで、広島旅行を満喫するための情報を詰め込みました。初めての広島旅行でも迷わず楽しめる完全ガイドです。
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1. 広島観光の基本情報|アクセスと観光エリア
東京・大阪からのアクセス
広島へは新幹線が便利です。東京駅からは「のぞみ」で約4時間、大阪(新大阪駅)からは約1時間30分で到着します。大阪からの料金は指定席で約1万円前後。早めに予定が決まっている場合は、スーパー早得きっぷなどの割引を活用すると、よりお得に移動できます。
広島市内の移動
広島市内の観光には路面電車(広島電鉄)が便利です。JR広島駅から原爆ドーム前までは約20分。レトロな車両で市内を走り抜ける路面電車は、それ自体が広島らしい体験です。1日乗車券(700円)を購入すれば、何度でも乗り降り自由です。
広島から宮島へのアクセス
JR広島駅から宮島口駅までは山陽本線で約30分、420円。宮島口からはフェリーに乗り換えて約10分で宮島に到着します。フェリーは片道200円で、2023年からは「宮島訪問税」100円が加算されます。JR西日本宮島フェリーの「大鳥居便」に乗れば、大鳥居のすぐ近くを通過する特別なルートを楽しめます。
2. 1日目午前|平和記念公園と原爆ドーム
原爆ドームの前に立つ
広島駅に到着したら、まず平和記念公園へ向かいましょう。路面電車で「原爆ドーム前」下車、すぐ目の前に原爆ドームが見えてきます。1945年8月6日、爆心地から約160メートルの地点にあったこの建物は、爆風が真上から降りかかったことで、奇跡的に倒壊を免れました。その姿は、核兵器の恐ろしさを今に伝える世界遺産として、静かに佇んでいます。
広島平和記念資料館
平和記念公園内にある広島平和記念資料館は、被爆の実相を伝える展示施設です。被爆者の遺品や証言映像、原爆投下前後の広島の様子など、胸に迫る展示が続きます。2024年度は226万人以上が訪れ、うち3割以上が海外からの来館者。世界中から平和を願う人々が集まる場所です。所要時間は1〜2時間程度みておくとよいでしょう。
平和の灯と慰霊碑
資料館を出たら、平和の灯と原爆死没者慰霊碑を訪れてください。平和の灯は1964年の点火以来、核兵器が廃絶されるその日まで燃え続けると誓いを立てた火です。慰霊碑の正面に立つと、その向こうに原爆ドームが見える設計になっています。建築家・丹下健三が設計したこの空間は、祈りのために計算されたものでした。
3. 1日目午後|広島グルメを満喫
広島風お好み焼き
広島といえば、やはりお好み焼きです。関西のお好み焼きとは異なり、キャベツと麺を重ねて焼く「重ね焼き」スタイルが広島流。パリッと焼かれた麺と、たっぷりのキャベツ、濃厚なソースの組み合わせがたまりません。「みっちゃん総本店」は広島風お好み焼きの元祖的存在で、八丁堀本店では行列ができることも。時間に余裕を持って訪れましょう。
牡蠣料理
広島県は牡蠣の生産量全国1位。国内生産の約6割を占めます。広島の牡蠣は殻が小さく身が大きいのが特徴で、ぷりっとした食感と濃厚な旨味が楽しめます。お好み焼きに牡蠣をトッピングした「牡蠣お好み焼き」は、二大名物を一度に味わえる贅沢な一品。旬は1〜2月ですが、最近は「かき小町」という品種により、夏でも美味しい牡蠣が食べられるようになりました。
広島駅周辺のおすすめエリア
グルメを楽しむなら、広島駅周辺か八丁堀・紙屋町エリアがおすすめ。広島駅直結のエキエ広島には、お好み焼き店やお土産店が充実しています。夜は流川・薬研堀エリアに足を延ばせば、地元の人で賑わう飲食店が軒を連ねています。
4. 2日目|宮島へ渡る
フェリーで宮島へ
2日目は朝から宮島へ向かいます。JR広島駅から宮島口まで約30分、フェリーに乗り換えて約10分。JR西日本宮島フェリーの9時台〜16時10分発の便は、大鳥居のすぐ近くを通る「大鳥居便」として運航されています。デッキに出て、海上から大鳥居を眺める瞬間は、宮島旅のハイライトのひとつです。
厳島神社の歩き方
宮島桟橋から厳島神社までは徒歩約15分。参道には鹿が自由に歩き回り、土産物店や飲食店が立ち並びます。厳島神社は海上に建てられた珍しい神社で、潮の満ち引きによって姿を変えます。満潮時には社殿が海に浮かんでいるように見え、干潮時には大鳥居の足元まで歩いて行くことができます。訪れる前に潮位を確認しておくと、より楽しめます。
潮の満ち引きを楽しむ
厳島神社の魅力は、潮位によって全く異なる表情を見せること。満潮時の「海に浮かぶ社殿」は幻想的で、写真映えも抜群。一方、干潮時には大鳥居まで歩いて渡れる貴重な体験ができます。理想は、満潮と干潮の両方を見ること。宮島観光協会のサイトで潮位表をチェックして、訪問時間を計画しましょう。
5. 宮島の見どころを巡る
弥山登山とロープウェー
時間に余裕があれば、宮島の霊峰・弥山(みせん)への登山もおすすめです。弘法大師空海が開山したこの山は、標高535メートル。ロープウェーで山上まで行き、そこから約30分歩くと山頂に到着します。山頂からは瀬戸内海の島々を見渡す360度の絶景が広がります。空海が修行に使ったとされる「消えずの火」が今も燃え続ける霊火堂も必見です。
表参道商店街でグルメ散策
宮島桟橋から厳島神社へ続く表参道商店街は、食べ歩きの宝庫。焼き立ての「焼き牡蠣」は1個から購入でき、その場で熱々を味わえます。「焼がきのはやし」は焼き牡蠣発祥の店として知られ、蒸し焼きスタイルの牡蠣が絶品です。
揚げもみじとスイーツ
宮島土産の定番・もみじ饅頭も、ここでは一味違う楽しみ方ができます。「紅葉堂本店」の「揚げもみじ」は、もみじ饅頭に衣をつけて揚げた新感覚スイーツ。外はサクッ、中はふわっとした食感がやみつきになります。1本200円で、こしあん・クリーム・チーズなど複数の味が選べます。
6. 宮島グルメ|牡蠣とあなごめし
牡蠣専門店で堪能
宮島で牡蠣を食べるなら、専門店でじっくり味わうのもおすすめです。「牡蠣屋」は表参道商店街にある人気店で、牡蠣のフルコースや牡蠣とワインのペアリングが楽しめます。生牡蠣、焼き牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣めしなど、さまざまな調理法で広島の牡蠣を堪能できます。
あなごめしの老舗
宮島のもう一つの名物が「あなごめし」。宮島口にある「あなごめし うえの」は創業100年以上の老舗で、地元の人も通う名店です。ふっくらと焼き上げたあなごと、タレが染み込んだご飯の相性は抜群。駅弁としても人気で、帰りの新幹線で食べるのもおすすめです。
宮島ビールで乾杯
宮島には地ビールの醸造所もあります。「宮島ブルワリー」では、瀬戸内の柑橘を使ったクラフトビールなど、ここでしか飲めない味が楽しめます。散策の合間に、海を眺めながらの一杯は格別です。
7. 1泊2日モデルコース
1日目のスケジュール
11時頃に広島駅到着。路面電車で平和記念公園へ移動し、原爆ドームと広島平和記念資料館を見学(約2時間)。14時頃、八丁堀エリアでお好み焼きランチ。その後、本通り商店街を散策してお土産探し。夜は流川エリアで牡蠣料理と地酒を楽しみ、広島市内のホテルに宿泊。
2日目のスケジュール
8時半頃にホテルを出発し、JRで宮島口へ。9時台のフェリー「大鳥居便」で宮島へ渡り、厳島神社を参拝。表参道商店街で焼き牡蠣や揚げもみじを食べ歩き。余裕があれば弥山ロープウェーで絶景を堪能。14時頃に宮島を出発し、宮島口であなごめしを食べて帰路へ。
おすすめの宿泊施設
広島市内なら、八丁堀・紙屋町エリアのホテルが観光に便利です。グランドプリンスホテル広島は瀬戸内海を望むリゾートホテル。宮島に泊まるなら「錦水館」や「みやじまの宿 岩惣」など、老舗旅館で贅沢な時間を過ごすのも素敵です。
8. 広島旅行をもっと楽しむヒント
ベストシーズン
広島・宮島観光は年間を通じて楽しめますが、特におすすめは春の桜(3月下旬〜4月上旬)と秋の紅葉(11月中旬〜下旬)シーズン。宮島の紅葉谷公園は、その名の通り紅葉の名所として知られています。牡蠣を目当てにするなら、旬の1〜2月がベストです。
注意点
宮島は2024年に約485万人が訪れた人気観光地です。週末や連休は混雑が予想されるため、平日の訪問がおすすめ。また、宮島の五重塔は2026年12月頃まで工事中で、外観を見ることができません。厳島神社と大鳥居は通常通り見学可能です。
延泊するなら
時間に余裕があれば、尾道まで足を延ばすのもおすすめです。広島から新幹線と在来線で約1時間。坂の街・尾道では、千光寺からの絶景や、ノスタルジックな商店街散策、名物の尾道ラーメンが楽しめます。しまなみ海道のサイクリングも人気です。
広島は、平和への祈りと瀬戸内の美しい自然、そして豊かな食文化が共存する特別な場所です。原爆ドームで歴史と向き合い、宮島で神秘的な景色に息をのみ、お好み焼きと牡蠣で舌鼓を打つ。1泊2日でも、心に残る旅ができるはずです。ぜひ、次の旅の目的地に広島を選んでみてください。